これまでのリスク選好ムードが一変して先物主導で大きく値を下げる形となった。前日の米国株市場ではNYダウが続落し、ナスダック総合指数は最高値更新が続いているものの主要株指数が高安まちまちの展開だった。FOMCでゼロ金利政策を2022年末まで継続する方針をFRBが示したことは株式市場にとってはプラス材料だが、外国為替市場でドル売りの動きを誘い、為替が円高方向に振れたこともマイナス材料となった。
高値警戒感も手伝って景気敏感株を中心に利益確定売りが広がった。米ダウ先物が午後に下げ幅を広げると、国内市場にも売りが波及した
米連邦準備理事会(FRB)は10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和を長期にわたり続ける方針を示した。米長期金利の低下が円高・ドル安を招いて輸出関連株を中心に売りが先行した。金融緩和の長期化方針が「かえって実体経済の回復の遅れを意識させた」との見方もあった。
後場は米株価指数先物の下げを横目に先物主導で値を崩し、利益確定を急ぐ動きも加わって日経平均は下げ幅を一気に広げた。
米国で新型コロナウイルスの感染者数が200万人を突破したと伝わると、感染再拡大や経済活動再開の遅れが懸念され、米ダウ先物が午後に下げ幅を拡大。国内市場でも一段と景気敏感株などへの売りが強まった。
JPX日経インデックス400は3日続落。終値は前日比316.47ポイント安の1万4320.50だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、35.79ポイント安の1588.92で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8403億円。売買高は16億7956万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1939と、全体の約9割を占めた。値上がりは203銘柄、変わらずは27銘柄だった。