3万9000円台を回復するのは11月12日以来、3週間ぶり。
前日の米国株市場でハイテク株が買われナスダック総合株価指数が3週間ぶりに史上最高値を更新したことを受け、主力どころをはじめ広範囲にリスクを取る動きが強まった。米株市場では半導体関連に買いが目立ち、東京株式市場もこの流れを引き継ぎ、同関連株を買い戻す動きが活発化し全体指数を押し上げた。米政府が先端半導体やハイスペックな半導体製造装置の輸出規制を新たに発表したが、日本やオランダなど約30カ国を規制の対象外としたことで、これがポジティブ視されたという見方もある。後場に入ると、ショートポジションをとっていた向きの買い戻しが日経平均の上げ足を助長した。ただ、後場取引終盤は利益確定売りが出て上げ幅をやや縮小している。
前日の米株式市場でナスダック総合株価指数が3週間ぶりに最高値を更新した。11月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は市場予想を上回り、米年末商戦の出足も好調と伝わるなど足元の米景気の強さがあらためて意識されている。さらにFRBのウォラー理事は2日、17〜18日に予定する次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「追加利下げを支持する立場に傾いている」と述べた。米景気が底堅さを保つなかでFRBが利下げに動くとの期待が広がり、ハイテク株の買いを誘った。東京市場でも東エレクやアドテストなど半導体関連が軒並み上昇。ソフトバンクグループ(SBG)も買われた。
日経平均はチャート上で25日移動平均(3万8720円前後)を一気に上回ってきたため、売り方の買い戻しが活発化したとの見方も多かった。株価指数先物の売り手による損失覚悟の買い戻しが後場の一段高を誘ったとの見方があった。
今週は3月期決算企業の中間配当の実施の集中週に当たる。約680社が計5兆6000億円程度の配当を実施する見通し。投資家が手元に届いた配当金を再投資する機運が高まっているとの声があり、トヨタや三井物など主力株が上昇した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産配分見直しで日本株のウエートを高めるとの思惑が市場の一部で強まっている。ただ、「物価と賃金上昇の好循環などが条件となり、足元の買いは投機筋がけん引しているにすぎない」との冷静な指摘もあった。