米欧の通商摩擦への警戒感や国内の経済統計の弱さを受けて、東京株式市場は相場が下落した。
日経平均は寄り付き直後に2万1571円67銭まで下落したが、下値では個人投資家などの買いが入るなどし、日経平均は次第に下げ渋った。
米国のEUに対する強気な姿勢がこれから本格化する日米物品貿易協定(TAG)交渉の難航を想起させるとの警戒感から、自動車や電気機器株など主力の輸出関連株が売られた。
また、内閣府が寄り付き前に発表した2月の機械受注の弱さが、機械株の重荷となった。民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は前月比で1.8%の増加で、QUICKがまとめた市場予想の中央値(2.7%増)を下回った。設備投資の先送り姿勢が統計を通じて確認され、安川電やオークマなどに売りが出た。
一方で、中国・上海株式相場が落ち着いた動きだったことや、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の買い期待とともに、後場取引の中国・上海総合指数が下げ幅を縮めたこともあり、持ち直しの動きとなった。ただ、買い進む動きは鈍く戻りは限定された。
市場では「しばらく日経平均はこう着状態となり、個別株物色が中心の相場展開になりやすい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比101.75ポイント安の1万4296.92だった。
東証1部の出来高は11億2275万株、売買代金は1兆9674億円。騰落銘柄数は値上がり485銘柄、値下がり1572銘柄、変わらず83銘柄。