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【大引け概況】
10日の日経平均株価は反発し、前日比97円76銭高の2万8958円56銭で終えた。

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きょうは、前日の米国株市場でNYダウが3日続落したほか、ナスダック総合指数も終盤失速してマイナス圏で引けたことで、朝方取引開始前は手控え感が強かった。しかし売り圧力は限定的であり、安かったのは取引開始直後のみで、すぐにプラス圏に浮上した。新型コロナワクチンの普及が進んでいることから、経済活動が正常化することへの期待が全体相場を支えた。
ただ一方で、あすにオプションSQ算出を控え上値も重く、日本時間今晩に発表される5月の米消費者物価指数の結果を見極めたいとの思惑もあり、買いポジションを積極的に高める動きは見られなかった。
 
米長期金利が1.5%を下回る水準に低下したことで、足元で調整色を強めていた半導体関連株など一部の値がさ成長(グロース)株が買われて指数を押し上げた。
 
日本時間10日夜に5月の米消費者物価指数(CPI)の発表、15〜16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控え、様子見姿勢の投資家も多かった。
市場では「CPI発表を控え、日経平均株価は小動きだったが、個別銘柄の循環物色は続いており、投資意欲は衰えていないようだ」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400は小幅に続落。終値は前日比1.65ポイント安の1万7664.80だった。東証株価指数(TOPIX)も小幅続落し、0.41ポイント安の1956.73で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆4042億円。売買高は10億2805万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は991と、全体の約45%だった。値下がりは1066、変わらずは136銘柄だった。

 
業種別株価指数(33業種)は精密機器、鉄鋼、医薬品が上昇。銀行業、小売業、輸送用機器は下落した。
 
個別では、レーザーテックが切り返したほか、ファーストリテイリングも堅調。東京エレクトロン、ソニーグループなども終始買いが優勢だった。エムスリー、ファナックがしっかり。塩野義、第一三共、日本郵船、テルモ、イキン工業も値を上げた。コーナン商事は急伸、イーエムシステムズ、サニックス、アセンテックなども値を飛ばした。
 
半面、エーザイが大きく利食われ、任天堂も売りに押された。ソフトバンクグループ、トヨタ自動車も冴えない。みずほFG、新生銀が売られた。ペッパーフードサービスが急落、ツカダ・グローバルホールディングも大きく利食われた。日本ケミファ、クロス・マーケティンググループが売られ、モリテック スチールも安い。
 

東証2部株価指数は前日比2.39ポイント高の7588.91ポイントと10日続伸した。出来高1億3857万株。値上がり銘柄数は197、値下がり銘柄数は197となった。
 
個別ではKHC、工藤建設、三光マーケティングフーズ、コメ兵ホールディングス、シノブフーズなど19銘柄が年初来高値を更新。JFEコンテイナー、パレモ・ホールディングス、大和、Abalance、梅の花が買われた。
 
一方、アサヒ衛陶が年初来安値を更新。東京ソワール、グローバルダイニング、フリージア・マクロス、アライドテレシスホールディングス、田岡化学工業が売られた。