中国で多発する新型肺炎の感染拡大を警戒した売りと、好業績が期待される電機株などを買う動きが交錯し、方向感なくもみ合った。
前日のNYダウは一時220ドル近い下げとなったが、引けにかけ下げ渋り結局26ドル安だった。この流れを引き継ぎ、日経平均株価は上昇して始まり、午前9時10分過ぎに前日比70銭強上昇した。しかし、上値は重く前場は12円安で取引を終えた。
後場に入り、日経平均株価は午後1時過ぎにプラス圏に再浮上したが、上値は重い展開が続いた。
米インテルの好決算を受け、半導体関連株などを中心とした買いが優勢だった。新型肺炎の感染拡大で警戒された香港ハンセン指数が落ち着いた動きとなったことも支えとなった。一方、上値では短期筋が利益確定売りを出し下げに転じる場面があり、全体的には方向感の乏しい展開が続いた。
インテルが23日の取引終了後に発表した2019年10〜12月期決算は、売上高と1株利益が市場予想を上回った。20年12月期も増収になるとの見通しを示したことから日本の関連銘柄には好材料との見方が広がり、東エレクなどの半導体関連株や電子部品株の一角が買われた。
ただ、新型肺炎に対する警戒感は上値を抑えた。
市場では「新型肺炎の動向に市場の関心が集まっている」状況にあり、個別銘柄の値動きにその傾向が表れた。中国人観光客が帰国前の日本でマスクを「爆買い」していると伝わり、ユニ・チャームが上昇。医薬品株も堅調だった。一方、中国で多店舗展開する外食や小売りの株に値下がりが目立った。
JPX日経インデックス400は反発し、終値は前日比13.91ポイント高の1万5497.20だった。東証株価指数(TOPIX)は小幅に続落し、0.06ポイント安の1730.44で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8103億円。売買高は9億6545万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1536と、全体の約7割を占めた。値上がりは524、変わらずは99だった。