下げ幅は2016年11月9日以来、約1年3カ月ぶりの大きさとなった。
東証株価指数(TOPIX)は40.46ポイント安の1823.74と、ともに急落した。
前週末の米国市場では、1月の雇用統計で平均時給の伸びが確認されたことから物価上昇観測が台頭し、長期金利が上昇。これを嫌った売りが広がり、5日の東京株式市場もこの流れを引き継ぐ形で売りが優勢となった。
一時、日銀のETF(上場投資信託)買い期待を支えにいったん下げ渋ったが、戻りは限定され、大引けにかけて安値圏に押し戻された。
米主要株価指数は昨年秋以降、ほとんど調整らしい調整もなく上昇し続け、過去最高値圏で推移していたため、前週末の米国株の動きについては「一時的なスピード調整」とみる市場関係者は少なくない。
また、「米国の金利上昇は景気が良好だからだ」との指摘もある。
米金利の顕著な上昇には過敏に反応せざるを得なかったようだ。東京市場は「当面、米国の金利をにらんだ海外勢の動きに振り回される」とみられる。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前週末比349.07ポイント安の1万6129.28だった。
東証1部の出来高は18億8189万株、売買代金は3兆5671億円。騰落銘柄数は値上がり118銘柄、値下がり1930銘柄、変わらず17銘柄。
個別では、1月の国内既存店売上高が低調だったファストリが大幅に下落した。国内ユニクロの1月既存店売上高が5カ月ぶりに前年同月比マイナスとなった。
値がさ株のファナックやTDK、東エレクなどの下げも目立った。17年4〜12月期が最終赤字だった板硝子は大幅安となった。第3四半期決算を発表した三菱UFJや任天堂、トヨタ自も軟調だった。SGホールディングスや板硝子は決算を受けて大きく売られた。また、業績下方修正のフジクラが東証1部下落率トップとなった。
一方、通期業績予想を上方修正したソニーとホンダは高かった。17年4〜12月期の決算を前週末に発表した宇部興も上昇した。
また、アイスタイル、GSIクレオス、日光電などが東証1部上昇率上位に顔を出した。
東証2部株価指数は前週末比146.54ポイント安の7508.18ポイントと続落した。
値上がり銘柄数は48、値下がり銘柄数は445となった。
個別では、技研ホールディングス、アルデプロが昨年来安値を更新。Oakキャピタル、大和自動車交通、マナック、サイバーステップ、カワタが売られた。
一方、鉄人化計画がストップ高。森組、日本精蝋、ノザワ、阪神内燃機工業、トリニティ工業など8銘柄は昨年来高値を更新。大水、アバント、星和電機、D.A.コンソーシアムホールディングス、倉庫精練が買われた。