連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を直前に控える中、利益確定売りが先行した。利上げペース減速が期待される一方、利上げ継続への思惑もくすぶり、金利上昇を警戒した売りが膨らんだ。ナスダック総合指数は−1.96%と3日ぶり大幅反落。一方、米1月ダラス連銀製造業活動指数の上振れなどに伴う為替の円安・ドル高を支援要因に、日経平均は25円高からスタート。決算発表を受けた個別物色が目立った。
ただ、今週に相次いで控える主力企業決算や中央銀行イベント、重要経済指標を前に様子見ムードが強く、日経平均は2万7500円を手前に膠着感の強い展開が継続。アジア市況が軟調な中、午後は一段と冴えない展開で、大引けにかけては手じまい売りが加速し、やや下げ幅を拡大した。
朝方は円安を好感して高く推移する場面もあったが、2万7500円に接近する水準では利益確定売りが上値を抑えた。
主要な半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下げが大きく、東京株式市場でも東エレクやアドテストなど半導体関連銘柄に売りが出た。2月1日まで開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、運用リスクを避けて持ち高を減らす動きもみられた。
個別銘柄では、前日に今期業績予想を上方修正したOLCや中国電の上げが目立った。一方、今期の業績見通しが市場予想に届かなかったキヤノンや、今期予想を下方修正したコーテクHDには売りが出た。取引時間中に大幅な上方修正を発表した東ガスは急伸。関連銘柄にも買いが波及し、業種別でも電気・ガスの上昇が目立った。
市場からは「きょうは、海外勢の日本株オーダーが薄い。日経平均2万7500円をにらみ、材料的にはここからのアップサイドは期待しにくいようだ。いずれにしろ、主要企業の決算を見てから行動に移すことになる」との声が聞かれた。