前日の欧州株市場が総じて高く、独DAXは連日の最高値更新となったほか、米国株市場もNYダウなど主要株指数が揃ってプラス圏で引けたことで買い安心感が広がった。日経平均は寄り付きこそマイナスでスタートしたが、その後は急速に切り返し2万9000円台に浮上した。新型コロナワクチンの普及が進むなか、食品など内需関連株の一角が買われたほか、半導体関連などに上昇する銘柄が目立つ。
またトヨタが連日で最高値を更新し、1万円台に迫る場面があった。ただ、日本時間の明晩に5月の米雇用統計の発表を控え、この結果を見極めたいとの思惑もあり、日経平均の上値は重かった。2万9000円近辺では引き続き戻り売りニーズの強さが確認された。
半導体関連は政府が月内にまとめる成長戦略の原案で半導体産業の国内誘致を進める方針を示したことが買い材料として意識された。
きょうの日本時間夜には米国で5月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポートが発表される。市場では「内容次第では米連邦準備理事会(FRB)の資産購入縮小の議論に影響が出るため、積極的に売買しにくい」との見方があり、午後は積極的な売買が手控えられた。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前日比148.37ポイント(0.85%)高の1万7702.27だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、16.37ポイント(0.84%)高の1958.70で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6131億円。売買高は10億9198万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1498と、全体の約7割を占めた。値下がりは594、変わらずは101銘柄だった。