前日の米株式市場では、NYダウが小幅安だったが、ナスダック指数が前日比385ポイント安と大幅下落となった。15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は、テーパリング(量的緩和縮小)の加速を決定したことが警戒されハイテク株が売られた。この流れのなか、東京株式市場もハイテク株を中心に売りが膨らむ展開。また、日銀金融政策決定会合で、コロナ禍に対応した資金繰り支援策を縮小することを決定したことも警戒され、後場に入り下げ幅が拡大した。
欧州中央銀行(ECB)は16日に開いた理事会で、コロナ危機で導入した緊急買い取り制度による新規資産購入を2022年3月末で打ち切ると決めた。日銀も17日の金融政策決定会合で、コロナ禍に対応した資金繰り支援策の縮小を決めた。各国中央銀行の姿勢が緩和縮小に前向きな「タカ派寄り」になってきているとの受け止めから、株価指数先物に売りが広がった。一方、自動車株や商社株などには買いが入り、相場を支えた。
市場からは「買い戻しは一巡し、きのうの上昇分(606円高)のほとんどを吐き出した。来週はIPO(新規公開株)ラッシュで新興市場がどう動くか注目されるが、海外投資家は休暇モード入りとなり、国内勢だけでは相場は緩慢になりそう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反落した。終値は前日比258.89ポイント安の1万7934.90だった。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反落し、28.61ポイント安の1984.47で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆3804億円。売買高は14億4002万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1635と、全体の約7割を占めた。値上がりは451、変わらずは98銘柄だった。