きょうの東京株式市場は、強弱感が対立するなか方向感が定まりにくい地合いとなった。
前日の米国株市場では市場コンセンサスを上回る経済指標が支えとなったものの、主要株指数が高安まちまちの展開。ナスダック総合指数は過去最高値を更新したが、東京株式市場ではこれを手掛かりとする動きは限定的だった。
2日に明らかになった東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者が2カ月ぶりに100人を超えたと伝わると、国内での感染拡大への懸念や緊急事態宣言の再発出に対する警戒感が強まり、積極的な買いが手控えられた。
この日の相場は感染拡大を巡る思惑で揺れた。午前の取引開始時には、米国での感染者増への懸念から一時売りが優勢となった。一方、中国の好調な景況感や中国政府の景気刺激策への期待でアジア株が上昇すると、連動するように上げに転じた。午後の取引直後に都内の感染者数が拡大したとの報道を受け、再び下落する場面があった。
日本時間の2日夜に6月の米雇用統計が発表されるのを前に様子見姿勢も強く、日経平均は前日比のプラス圏とマイナス圏を行き来する展開が続いた。
JPX日経インデックス400も小反発。終値は前日比48.28ポイント高の1万3924.79だった。東証株価指数(TOPIX)も小幅反発し、4.15ポイント高の1542.76で終えた。
市場では「日経平均株価は日足チャート上で、6月16日に付けた陽線の範囲内で推移し『三角持ち合い』となっている。日中値幅が小さくなり、上下どちらかに動くタイミングが近そう」との声が聞かれた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2366億円。売買高は13億5725万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は753と、全体の約3割にとどまった。一方、値下がりは1343で6割強を占めた。変わらずは73銘柄。