欧米株高で市場心理が好転し、取引開始直後から堅調に推移。米国での金融規制の一部緩和を受けた銀行株高に連れ、東京株式市場でも金融株が軒並み高となった。
個人投資家の買いが優勢だった。一方、上値追いの材料には乏しく、機関投資家や海外投資家は積極的な取引を見送った。
3月期末の配当金の受け取りや、今週再開した新規株式公開(IPO)が好調な滑り出しとなったことで含み益の拡大した個人は多いようだ。個別株の信用買いに加え、回転の早い個人マネーがIPO銘柄から東証1部のGMOクラウドなどクラウド関連銘柄に向かった。
全体の商いは盛り上がりに欠いた。「企業の破綻リスクや、株価と実体経済との乖離(かいり)が広がっているのを警戒した機関投資家などは上値追いに慎重になっている」という。
米国では新型コロナウイルス感染の再拡大が顕在化。東京都でも感染者が増え始め、「経済活動の再停滞が警戒される」状況にある。経済実体と比較し「株価は割高」との見方も少なくないだけに、投資家の多くは慎重な姿勢を崩していないようだ。
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反発した。終値は前日比133.11ポイント高の1万4212.17だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、15.52ポイント高の1577.37で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆386億円。売買高は11億3795万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1614と、全体の約7割を占めた。値下がりは496、変わらずは58銘柄だった。