朝方はリスク選好の地合いでスタートし、日経平均は一時470円強の上昇で3万6600円台まで水準を切り上げたが、その後は利益確定売りに値を消す展開となり、後場に入ると下げに転じる場面もあった。
前日の米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開で、ここ最高値更新の続いていたNYダウはわずかにマイナス圏で着地。発表された8月の米小売売上高が市場予想に反して前月比で上昇したことで、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げに対する期待感が後退した。
一方、長期金利の上昇を背景に外国為替市場ではドル高・円安方向に振れ、これが東京株式市場にプラスに作用したが、取引時間中は再び為替が円高方向に押し戻され、これを横目に売り圧力が強まる場面もあった。日本時間あす未明に判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせている。
FRBは今回のFOMCで利下げを決めると市場では予想されており、利下げの幅が0.25%か0.50%になるかが注目されている。17日発表の8月の米小売売上高が前月比0.1%増と、市場予想(0.2%減)に反してプラスとなり、米経済の底堅さが意識された。米市場で米長期金利の上昇に伴い円売り・ドル買いが優勢となり、円は1ドル=142円台に下落。円安を背景に東京株式市場では輸出関連に買いが先行し、日経平均は朝方に470円ほど上昇した。
日経平均の上値はその後、重くなった。円相場が141円台前半まで下げ渋る展開となり、株買いの勢いが減速。後場に入り、日経平均は下げ転じた。FOMCに続き、19〜20日には日銀の金融政策決定会合を控えており、様子見姿勢も広がった。
このところの日経平均は為替相場との連動性が高まっており、大幅な利下げ決定による円高、ドットチャートやパウエルFRB議長発言内容のタカ派による急激に円高進行などが警戒されるだけに、FOMC後の米金融市場の動きには注意が必要だ。しかし、FOMC通過後は目先の不安要素がなくなるだけに、押し目買いポイントになる可能性はありそうだ。
また、国内では自民党総裁選候補者の政策論争が盛んだが、経済を含め新味ある政策が発信されず、市場を動かす材料となっていない。これは野党も同様で政治の手詰まり感が相場に反映されている。