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【大引け概況】


31日の日経平均株価は反発し、前日比258円55銭(0.93%)高の2万8041円48銭で終えた。2万8000円台を回復するのは10日以来、3週間ぶり。

 
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米銀破綻に端を発する金融システム不安が後退するなか、欧米株が上昇した流れを受けて堅調に推移した。東証は上場企業に対し、資本コストや市場の評価を意識するよう要請する案を示した。企業の対応に期待する買いも相場を押し上げた。
 
前日の米株式市場では、NYダウが141ドル高と続伸。金融システム不安が後退するなか、ハイテク株を買う動きが続いた。米株高の流れを引き継ぎ、東京市場も日経平均株価は2万8000円を回復してスタート。上昇幅は一時340円を超える場面があった。東証がPBR1倍割れ企業に対して、株価引き上げのための具体策の開示を求める、と報道されたことも好感された。ただ、上値では利益確定売りも出やすく、後場にかけてはやや上昇幅が縮小した。
 
 
米シリコンバレーバンク(SVB)が10日に経営破綻して以降、米金融当局の対応もあり市場が懸念したような銀行の連鎖破綻は起きなかった。欧米の株式相場の戻り基調に合わせ日本株も上昇した。リスク回避の円買いが一巡するなか、円相場が一時1ドル=133円台半ばまで下落し、トヨタなどの輸出関連株を中心に上昇した。
 
朝方に経済産業省が発表した2月の鉱工業生産指数(速報値)は市場予想を上回る伸びとなり、製造業の生産回復への期待が高まった。東証がPBR(株価純資産倍率)1倍を下回る企業を中心に経営改善を要請する案を示したこともあり、日本製鉄などのバリュー(割安)株の上げが目立った。
 
日経平均は340円ほど上昇する場面もあったが、大引けにかけて上げ幅を縮小した。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の2月分の発表をきょうに控え、持ち高調整の売りが出たようだ。
 
東証株価指数(TOPIX)も反発し、前日比20.18ポイント(1.02%)高の2003.50で終えた。2000を上回るのは13日以来、約2週間半ぶり。東証プライムの売買代金は概算で3兆7422億円、売買高は14億2527万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1279銘柄と約7割を占めた。値下がりは477、変わらずは78銘柄だった。


 
 
業種別株価指数(全33業種)では鉄鋼、卸売業、精密機器の上昇が目立った。下落は海運業、食料品、ゴム製品など。
 
 
個別では、ルネサス、ソフトバンクG、太陽誘電、イビデンなどハイテク株のほか、円安を追い風にマツダ、日産自、豊田自動織機などの輸送用機器が上昇。日本経済新聞社の報道を手掛かりに日本製鉄、三井物産が大きく上昇し、JFEHD、神戸製鋼所、三菱商事、丸紅なども連れ高した。HOYA、三菱UFJ、鹿島、信越化も高かった。
 
 
半面、シャープ、JTは下落した。前日引けにかけて急速に配当落ちを埋めた川崎汽船や郵船、商船三井の海運が一転して大きく下落。マルマエは大幅減益決算に対して素直に売りが先行し急落。業績予想を下方修正したJCRファーマも大幅に下落した。
マネーフォワード、インフォマート、Sansanなど内需系グロース(成長)株の下落も目立った。