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【大引け概況】


27日の日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前週末比91円62銭(0.33%)高の2万7476円87銭で終えた。
 
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きょうは2万7000円台半ばで頑強な値動きをみせたが、上値の重さも意識される展開だった。前週末の欧州株市場では金融株の下落で投資家心理が悪化し軒並み軟調な地合いとなった。ただ、米国株市場では朝安後に切り返し、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともにプラス圏で着地したことから、これを受けて東京株式市場でも市場センチメントが改善した。今週29日が権利取り最終日となるなか、駆け込みでの配当権利取り狙いの買いや、配当再投資の動きを見込んだ先回り買いの動きが全体指数を支えた。また、半導体関連や銀行セクターに売りが目立ったものの、個別物色意欲は旺盛で全体の3分の2の銘柄が上昇した。
 
前週末の米株式市場ではディフェンシブ銘柄が買われ、主要な株価指数が上昇した。東京株式市場でも内需・ディフェンシブ株の一角とされる鉄道や医薬品株の上昇が目立った。市場では「鉄道株はインバウンド(訪日外国人)需要の回復を期待する買いも入った」との声があった。足元の日米長期金利の低下傾向を背景に、金利敏感とされる不動産株も堅調だった。
 
一方、前週末の米半導体株安を受け、東エレクが大幅に下落した。欧州銀行株の下落など金融システムを巡る不安から、三井住友FGなど銀行株は総じて軟調だった。
 
「金融システムの安定性を巡り、投機的な売買を含めボラティリティー(変動率)が高まる恐れがあり、様子見姿勢を強めている投資家が多いようだ」とみていた。
 
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末比6.52ポイント(0.33%)高の1961.84だった。
 
 

東証プライムの売買代金は概算で2兆2884億円。売買高は9億6649万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1239、値下がりは515、変わらずは82銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では陸運業、卸売業、不動産業の上昇が目立った。下落は銀行業、鉱業、電気機器など。
 
個別では、日立、川崎船、商船三井、ファーストリテ、りそなHD、JAL、任天堂、武田薬、ホンダが高く、JR東海など鉄道株、三井不など不動産株、双日、三井物など商社株、KDDIなど通信株、中外薬、エーザイなど薬品株が上げた。
個別の材料では、新たな株主還元方針と23年3月期末に創業100周年記念配当を実施すると発表した岡三がストップ高となり、23年3月期利益予想を上方修正した西華産が買われた。
 
一方、電通グループやサイバーの下げが目立った。メルカリ、HOYA、ルネサス、三井住友、日本電産、ゆうちょ銀行、ソニーG、レーザーテック、リクルートHD、OLC、楽天グループ、コンコルディが安く、東エレクなど半導体関連株が下げた。
個別の材料では、第3四半期累計の営業利益が47.8%減となったニイタカ、23年3月期業績予想を下方修正した新電元、23年3月期純損益予想を下方修正した電気興が軟調な展開となった。