日経平均が4日続けて下げたのは今年初めてで、2022年12月中旬に5日続落して以来の長さ。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化観測を背景に、値がさの成長(グロース)株の一角が売られた。日経平均の下げ幅は一時400円に迫った。一方、押し目買いも入って底堅い展開となった。
前週後半からの利益確定の動きが継続し、日経平均は先物主導で一時400円近い下げをみせたが、売り一巡後は下げ渋った。前日の米国株市場ではNYダウが小幅ながら6日続落となったほか、ナスダック総合株価指数の下げがきつかった。FRBによる金融引き締めが長期化することへの警戒感に加え、経済指標も景気減速を示唆するものが相次いだことから、投資家心理が冷やされている。東京市場でも、米株安を受けて相変わらず上値の重い展開に。ただ、売り一巡後は大きく値を下げた銘柄を中心に押し目買いが活発化し日経平均を下支えした。業種別では海運株の上昇が際立っている。個別株も後場に上昇に転じる銘柄も多くなり、値下がり銘柄数は全体の57%にとどまっている。
生成AI(人工知能)関連の半導体大手エヌビディアが大幅安となったことを受け、東京市場はアドテストなど関連銘柄への売りが目立った。
日経平均の上昇をけん引してきた海外投資家が前週、11週ぶりに現物と先物の合算で売り越したとあって、海外勢が売りに転じるのではないかとの懸念が強い。今週は月末で四半期末とあって、年金基金などからリバランス(資産の再配分)に伴う売りが出るとみられており、需給悪化を警戒して先物主導で下げる場面があった。
半面、下値では押し目買いが入り、日経平均が下げ渋る場面も目立った。
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、6.36ポイント(0.28%)安の2253.81で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4387億円。売買高は12億2720万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1049。値上がりは701、横ばいは84銘柄だった。