前日の米株式市場でNYダウが連日で過去最高値を更新し、投資家心理を上向かせた。米11月の小売売上高が予想外に増加したことにより米国景気に対する前向きな見方も広がった。FOMC後の急速なドル安・円高の流れがいったん落ち着いたことも相まって、東京株式市場では輸出関連株や景気敏感株を中心に売り方による買い戻しの動きが強まった。
更に、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅に上昇し、過去最高値を更新したことで、半導体株の一角が堅調に推移した。日経平均は前場に3万3100円台前半まで買われる場面があった。
一方、朝方のドル円相場の戻りは鈍く、再び1ドル=142円を下回る水準までドル安・円高が進むと、日経平均は伸び悩んだ。来週に日銀金融政策決定会合を控えるなか、政策修正の思惑もあって一段の円高シナリオへの警戒感は根強く、日経平均の終値は3万3000円台の回復には至らなかった。
来年の米利下げ観測が支えで、米長期金利の低下でグロース(成長)株が買われた。前日の米株高をきっかけに前日に下げていた日本株に見直し買いが向かった。
ただ、週末を控えた手じまい売りも出やすかった。
個別株では半導体関連の信越化学工業やアドバンテスト、東京エレクトロンが買われ、安川電機やイビデン、郵船、川崎汽船が大幅高。ソニーグループや神戸製鋼所や住友金属鉱山が高く、トヨタ自動車がしっかり。ビジョナルが急騰し、野村マイクロ・サイエンスやSREホールディングスが高く、巴工業がストップ高となった。
半面、三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループやしずおかフィナンシャルグループが安く、日清製粉グループ本社や山崎製パン、大塚ホールディングスが軟調。KDDI、アステラス、スギホールディングス、資生堂、JR東海、サイゼリヤが売られたほか、クミアイ化学工業とANYCOLORが大幅安となった。