前週後半の地合いを引き継ぎ売り優勢となった。前週の米国株市場でNYダウが小幅ながら続伸したことを受け、前場取引開始前の時点で先物が高く、外国為替市場でも円安が進んでいたこともあって、朝方は買いが先行した。しかし、その後はすぐに売りに押される展開を強いられた。日銀の金融政策修正への思惑から10年債利回りが上昇、これを嫌気して半導体の主力株などに売りがかさんだ。為替も円高方向に押し戻され、投資家マインドを冷やす格好に。一方、銀行株がメガバンクをはじめ一斉高に買われたことでTOPIXは小幅ながらプラス圏で着地している。個別株も値上がりより値下がり銘柄数の方が多かったとはいえ、プライム市場全体の51%と約半分にとどまった。
11日の国内債券市場では長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが0.7%台と、2014年1月以来の高水準を付けた。日銀の植田和男総裁がマイナス金利解除のタイミングなどに言及したとの一部報道を受け、日銀が金融緩和策の修正に向けて動き始めるとの思惑が広がった。金利上昇が逆風になりやすいグロース(成長)株への売り圧力が強まり、相場全体を下押しした。金利上昇が事業環境にマイナスとの見方から不動産株も安かった。
日経平均は前週末の米株高を引き継いだ買いで高く始まったものの、ほどなく下げに転じた。午後には下げ幅を200円超に拡大する場面もあった。
金利上昇による収益改善期待から銀行株は軒並み上昇し、三菱UFJや三井住友FG、みずほFGは年初来高値を更新した。