きょうの東京株式市場はリスクを取る動きが続いた。前週後半から4連騰だが、日々の上げ幅も徐々に拡大している。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇、12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見ムードが拭えないなかも、買い優勢の流れとなった。この日行われたパウエルFRB議長の講演が、市場が懸念していたようなタカ派的な内容ではなかったことで、買い安心感が広がった。
東京株式市場でも強調展開となった米国株市場を引き継ぎ、幅広く買いが先行。先物主導で日経平均は一時300円あまり上昇する場面もあったが、その後は上値が重かった。ただ、後場は上値を一段と買い進む動きこそ見られなかったものの下値では買い注文が厚く、狭いレンジでの値動きに終始した。
前日の米株式市場でハイテク株を中心に上昇が目立ち、東京株式市場でも相対的にPER(株価収益率)の高いグロース(成長)株に買いが入った。中国の経済正常化に期待して、景気敏感株などを買う動きも広がった。
次第に利益確定の売りが上値を抑え、午後は膠着感の強い動きが続いた。12日に発表となる米消費者物価指数(CPI)を前に投資家の様子見ムードも強まり、午後の値幅(高値と安値の差)は32円程度にとどまった。「国内の機関投資家からは売り注文が多かった」との声があった。
市場からは「後場はあまり動きがなく、とりあえず22年12月の米CPI(消費者物価指数)待ちの格好だ。方向感が見えにくいなか、まずは25日移動平均線(2万6914円)をクリアできるかがポイントになる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、終値は20.37ポイント(1.08%)高の1901.25と、2週間ぶりに終値で1900台を回復した。