きょうの東京株式市場は終始リスクを取る動きが優勢だった。前日の欧州株市場が総じて高かったほか、米国株市場では長期金利が上昇したにもかかわらずグロース(成長)株に高いものが目立った。米国では1月の小売売上高が市場コンセンサスを上回る強い内容であったことから、FRBによる金融引き締めが長期化することへの警戒感が再燃した。しかし、ナスダック総合株価指数が3日続伸したことで、東京株式市場でも投資家のセンチメントを強気に誘導している。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=134円台に下落し、輸出採算が改善するとの見方から自動車株の一角が買われた。株価指数先物への断続的な買いにつれて値がさ株も上昇し、日経平均の上昇に寄与した。
日本政府観光局(JNTO)が15日に発表した1月の訪日外国人客数は約150万人だった。訪日客数が回復軌道に入ったとの見方を背景に「国内機関投資家から訪日外国人(インバウンド)関連の一部に物色が入った」との指摘もあった。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、終値は13.35ポイント(0.67%)高い2001.09だった。終値で2000台を回復するのは2022年11月28日以来、およそ2カ月半ぶり。時価総額の大きい銘柄の上昇がTOPIXを押し上げた。
午後の日経平均は高値圏ながら膠着感の強い動きだった。「決算発表が一巡し、新規材料の乏しさや戻り待ちの売りが重荷となった」との声が出ていた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6373億円、売買高は11億4174万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1291と、全体の約7割を占めた。値下がりは479、変わらずは66銘柄だった。