再びリスク回避ムードの強い地合いとなった。前日の欧州株市場では経営不安が取り沙汰されたスイスの金融大手クレディ・スイスが暴落し、これを嫌気する形で主要国の株価指数が軒並み急落した。また、米国株市場でもこの流れを受けて金融株などを中心に売り圧力が強まり、NYダウの下げ幅は一時700ドルを超える場面があった。しかし、その後は米長期金利の急速な低下を受けハイテク株を中心に下げ渋った。
東京株式市場では寄り付きに日経平均が400円を超える下げで始まり、その後は600円近く下げる場面もあったが、クレディ・スイスがスイス中銀から最大約7兆円の資金調達の用意があることを発表したことで、目先投資家の不安心理が和らぎ、下げ幅を縮小して引けている。プライム市場の86%の銘柄が値を下げた。売買代金は3兆5000億円台と高水準だった。
クレディ・スイスが日本時間16日午前にスイス中銀からから最大500億スイスフランを調達する用意があると伝わったことから、安値は早い時間につけて下げ幅を縮めた。
短期筋による株価指数先物に断続的な買い戻しが入り、日経平均も急速に下げ渋った。米長期金利の低下などを受け、グロース(成長)株への見直し買いも入った。
市場では「相場水準が大きく切り下がったため、国内機関投資家から打診買いも入った」との声があった。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前日比23.02ポイント(1.17%)安の1937.10と、1月20日以来の安値水準で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆5488億円。売買高は16億5488万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1582と、全体の8割を超えた。値上がりは218、変わらずは37銘柄だった。