8日のNYダウは4日続落。ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)への加盟を断念する可能性を示唆したことで、停戦期待から一時買い戻しが加速し上昇に転じる場面もあった。しかし、不透明感を払しょくできず、燃料価格上昇に伴うインフレ高進への懸念も重しとなり、引けにかけて再び下落した。
前日までの3日間で1800円近く下落していた日経平均は、自律反発狙いの買いも入るなか85円54銭高でスタートし、前場中ごろには一時2万5000円を回復した。
足元で下げがきつかった自動車株や空運株、資源高の恩恵を受けるとの見方から建機株や商社株の一角が物色された。
しかし、不透明感がくすぶるなか、高く始まった香港ハンセン指数が下落に転じたこともあり、前引けにかけては上げ幅を縮め、再び25000円割れとなった。午後は、アジア市況が軟調ななか2万5000円手前でのもみ合いが続いていたが、大引けにかけて売りが加速すると、結局終盤にマイナスに転じた。
ただ、ウクライナ情勢を巡る不透明感から積極的に戻りを試す雰囲気は乏しく、午後に入ると上値の重い展開が続いた。市場では「欧州の投資家がリスク回避に向け持ち高を減らす動きが続いている」との見方があった。香港株や上海株の下落に加え、日本時間9日の取引で主要なハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物が一時軟調となったことも重荷となり、東京市場も次第に売りに押された。
JPX日経インデックス400は4日続落した。東証株価指数(TOPIX)も4日続落した。終値は0.97ポイント安の1758.89と、2020年12月以来1年3カ月ぶりの安値となった。
東証1部の売買代金は概算で3兆2731億円。売買高は15億51万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1209、値上がりは886、変わらずは85銘柄だった。