朝方は強弱観が対立し方向感の見えにくい展開だったが、午後の取引に入ると徐々に買い板が厚くなった。前日の欧州株市場は高安まちまち、米国株市場でも画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表を控え、様子見ムードが強かった。東京株式市場でも積極的な売買がしにくい状況で前場は前日終値近辺でのもみ合いに終始した。
ただ、後場に入ると円安方向に振れた外国為替市場を横目に先物主導でインデックス買いを呼びこみ、全体相場は次第に水準を切り上げる展開に変わった。値上がり銘柄数は全体の8割強を占めるなど、中小型株中心に買い意欲の強い地合いとなっている。ただ、半導体関連などの主力大型株が見送られたこともあり、全体売買代金は盛り上がりに欠けた。3兆2000億円台と前日の水準を更に下回り、6月20日以来の水準で今年2番目の薄商いとなっている。
この日の東京外国為替市場で円は対ドルで下落した。1ドル=145円の節目に迫ると、歩調を合わせるように海外短期筋から株価指数先物に買いが入り、日経平均を押し上げた。前日は米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げ開始の思惑で円高・ドル安が進み、自動車など輸出関連株が軒並み売られていたため、買い戻しが入りやすかった面もある。大引け間際に日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。