きょうの東京株式市場は、売り優勢でスタートしたものの下値の買い板が厚く、前場の日経平均はプラス圏で推移する場面もあった。しかし、後場に入ると、中東情勢に対する懸念や、米メディアがトランプ大統領の日米安保条約破棄の可能性に言及したことで地政学リスクの高まりが意識される展開となった。
昼ごろには、米ブルームバーグ通信が「トランプ米大統領が最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に示していたことが分かった」と報じると、東京外国為替市場で円相場が1ドル=106円台後半まで上昇した。円高・ドル安の進行に歩調を合わせるように、日経平均は下げ幅を広げた。日経平均は後場に一時171円安の2万1114円まで下落する場面があった
市場からは「トランプ米大統領が日米安保条約を破棄することはないが、G20(20カ国・地域)首脳会議を控えてネガティブに受け止められた。為替相場が1ドル=106円台に突入し、業績懸念も強まっている。ただ、25日移動平均線は割り込んでおらず、下げは限定されている」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、4.25ポイント安の1543.49で終えた。JPX日経インデックス400も反落した。終値は前日比37.25ポイント安の1万3752.26だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆7305億円。売買高は10億2985万株だった。値下がり銘柄数は1209銘柄、値上がり821銘柄、変わらず114銘柄だった。