きょうの東京市場は、寄り付きからリスク回避の売りに晒された。前日の米国株市場では4月の米住宅着工件数が市場予想を下回ったことなどが嫌気され、景気敏感株やハイテク株など広範囲に売り込まれ、引け際に一段安となる引け味の悪い展開だった。
東京株式市場もこの流れを引き継ぐ格好となった。
ビットコイン価格の急落も市場のセンチメントを悪化させたとの見方もあった。
ビットコイン保有で注目されていた電気自動車の米テスラへの懸念などにつながって米株価指数先物が下落したため、日本株についても先物を中心に売りが出た。
日経平均は一時560円あまり下落し、2万7000円台後半まで売り込まれる場面があった。アジア株市場は高安まちまちの展開だったが、米株価指数先物の下げを横にらみに神経質な展開を余儀なくされ、機械や非鉄、鉄鋼といった景気敏感株中心に下値を探る動きが目立った。
ただ、「米国株が本格的な調整局面に入ったとは考えにくい」との見方から2万8000円前後では買い戻しも入った。成長期待の高い銘柄の一角には買いが入り、朝方に安く始まったソニーGは午前の中ごろから上昇に転じた。
東証株価指数(TOPIX)は前日比12.50ポイント安の1895.24、JPX日経インデックス400は107.54ポイント安の1万7112.53でいずれも反落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆5099億円。売買高は11億6484万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1453と全体の約7割弱で、値上がりは662、変わらずは76銘柄だった。