米国での長期金利の上昇傾向を背景にした先行き警戒感が再燃し、幅広い銘柄が売られた。
取引開始直後から値下がりし、下げ幅を一時前日比350円近くに広げた。その後は安値圏でもみ合ったが、反発力の弱さも目立った。
市場では、米国債の金利上昇に伴い外債運用に含み損が出た金融機関による年度末に向けた益出し売りが株価を押し下げたとの見方があった。
春節(旧正月)の休暇から再開した中国・上海株以外のアジア市場で株価が軟調なことも日本株の買い控えにつながった。
米国で長期金利が上昇基調を強めているため、投資家が株式の保有比率を引き下げているとの見方があり、「株価の地盤沈下が続いている」格好、足元が盤石とは言えないことで、「日経平均が再び2万1000円程度まで下押す可能性は否定できない」と、市場関係者は弱気の顔をのぞかせていた。
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、終値は前日比15.44安の1746.17だった。JPX日経インデックス400も3日続落し、終値は前日比144.27ポイント安の1万5414.14だった。
東証1部の売買代金は、2兆5902億円。売買高は13億4948万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1455と、全体の7割ほどを占めた。値上がりは542、変わらずは69銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は全業種が下落し、中でも鉄鋼、水産・農林業、電気・ガス業の下落率の大きさが目立った。
個別銘柄では、減損処理を計上する可能性が伝わったリコーが大幅安となった。積ハウスと三菱ケミHD、新日鉄住が下落し、ANAHDやJFEの下げが大きかった。日水や関西電は軟調。任天堂が安く、トヨタ、日産自が軟化した。
一方、大塚HDは大幅高だった。NTTや資生堂が高く、T&Dやコンコルディも上げた。
Vテクが昨年来高値を更新し、7&iHDは堅調、日立が底堅く、昭和電工は強含んだ。
東証2部株価指数は前日比28.50ポイント安の7324.24ポイントと6日ぶり反落した。
値上がり銘柄数は157、値下がり銘柄数は293となった。
個別では、アップルインターナショナル、石井表記、大興電子通信、ダイヤモンド電機、日本電通は値下がり率上位に売られた。
一方、富士通コンポーネントがストップ高。ファステップスは一時ストップ高と値を飛ばした。桧家ホールディングス、ブルボン、ファーマフーズ、伊勢化学工業、イワキなど9銘柄は昨年来高値を更新。アサガミ、リミックスポイント、大和重工、大日本コンサルタントが買われた。