日経平均は3月5日以来、約1カ月ぶりの高値となった。
朝方は買い優勢も日経平均の上値が重い展開だった。米中貿易協議が進展することへの期待と前日の米ハイテク株高が投資家心理を支え、上げ幅を一時前日比70円超まで広げた。
しかし、日経平均が今週に入り3日までに500円あまり上昇したことで利益確定目的の売りに押され、上値が重い展開が続いた。
高値と安値の値幅は120円強と小幅にとどまり、前日の終値(2万1713円)を挟んだ展開だった。午後はマイナス圏に沈む場面もあった。
前日の米株式市場で主な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が過去最高値を更新し、きょうの東京市場ではアドテストや東エレク、スクリンなど関連株に買いが集まった。TDKや太陽誘電などの電子部品も堅調で、海運などの景気敏感株も買われた。
一方、陸運やガスなどの内需関連には売りが優勢だった。週末に米雇用統計の発表を控えており、日経平均は、今週に入って500円強の上昇をみせていただけに、機関投資家が買いポジションを軽くする動きがみられた。
上値の重さよりも下値の堅さを指摘する向きが大勢であり、センチメントは改善傾向にあるとみて良さそうである。とはいえ、中小型等の一角には後場に入って失速する動きも目立っている。明日も利食いに押される格好となるようだと、少なからずセンチメントに影響を与えるだろう。
市場では「国内勢の機関投資家や中長期保有の個人が高値で利益確定目的の売りを出していた。」との声が聞かれた。また、「新たな投資資金を呼び込むには、米中貿易交渉の合意や良好な企業業績の確認といった強力な材料が必要になる」という。
東証株価指数(TOPIX)は1.72ポイント安の1620.05だった。
JPX日経インデックス400は前日比14.56ポイント安の1万4411.97と反落した。
東証1部の出来高は12億2051万株、売買代金は2兆1147億円。
騰落銘柄数は値上がり873銘柄、値下がり1158銘柄、変わらず109銘柄だった。