米金融引き締めへの警戒感から、株価指数先物に売りが出た。主力株をはじめ広範囲に売りがかさむ展開で、日経平均は前場に一時500円以上も下落する局面があった。
前日の米国株市場では中国景気の減速懸念とFRBによる金融引き締め強化の思惑を背景にリスクオフ一色となり、ナスダック総合株価指数が4.3%安に売り込まれるなどハイテク株への売りが目立つ地合いだった。これを受け東京株式市場でも、投資家心理が冷え込み、日経平均は寄り後早々にフシ目の2万6000円台を下回った。
世界的なインフレへの懸念は根強く、地政学リスクの高まりも意識されているとあって、株式の持ち高を減らす動きが出た。東京株式市場でも売りが先行し、自動車や商社株が売られた。
しかし、その後は中国や台湾などアジア株市場が堅調な値動きとなったのを横目に買い戻される展開となった。米株価指数先物が上昇したことも、市場のセンチメント改善につながった。新型コロナウイルスの感染再拡大による都市封鎖(ロックダウン)が続く中国・上海の株式相場が10日、朝安後に上昇し「過度な警戒感が和らいだ」。資生堂やファナックが朝安後に上昇に転じた。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は前日比16.01ポイント(0.85%)安の1862.38だった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆2345億円。売買高は13億7245万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1062と、全体の約6割に迫った。値上がりは704、変わらずは71銘柄だった。