28日の米国株式市場で主要株価指数が軒並み上昇した流れを引き継ぎ、朝方は買いが先行で始まった。寄り付きの買いが一巡すると、ハイテク株の一角が売られ、日経平均株価は上値が重くなった。
米半導体大手のザイリンクスが次世代通信規格「5G」関連需要に弱気な見方を示したことを受け、東京株式市場でも関連銘柄が売りに押され、日経平均は小幅ながら一時下げに転じた。
しかし、休み明けで再開した香港株が大幅安で始まった後に下げ幅が縮小したことで、警戒感が後退。大型株を中心に押し目買いが入り、日経平均はじり高歩調に転じた。買い一巡後は下げに転じる場面もあったが、「米ホワイトハウスが米中間の航空便の運航停止を見送った」との報道を受け、日経平均は再び騰勢を強めた。
きょう取引を再開した香港株が下げ渋ったことも好感された。海外ヘッジファンドなど短期筋の買いがけん引。
日経平均は新型肺炎の感染拡大による経済への悪影響を警戒し、今週に入って2日間で600円超下げており、目先の反発を狙った買いが入りやすかった。
日経平均は切り返し後場に176円高まで上昇した。米ロイター通信など複数のメディアが「米ホワイトハウスは28日、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大への対応を巡り、中国と米国を結ぶ航空便の運航停止を見送ることを決めた」と報じた。米国が新型肺炎の拡大状況について市場が懸念するほど深刻にみていないとの受け止めが広がった。春節(旧正月)の連休明けに大幅下落して始まった香港ハンセン指数が下げ渋ったことも、投資家心理を強気に傾けた。
市場では「肺炎の感染拡大を受けた初期反応としてのリスク回避の動きは落ち着いた」との声もあった。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶり反発。終値は前日比75.79ポイント高の1万5227.72だった。東証株価指数(TOPIX)は5日ぶりに反発し、7.67ポイント高の1699.95で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9685億円。売買高は10億3295万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1094と、全体の50.6%となった。値下がりは967、変わらずは98銘柄だった。