
米中の関税協議の進展に期待して株価指数先物に買いが入った。協議の詳細公表を12日に控え、上値追いの勢いは限られた。
きょうはリスク選好の地合いとなり、前場は日経平均が上値の重い展開だったものの、後場寄りマイナス圏でスタートした後は流れが変わり、再浮上する格好に。スイスで行われていた米中協議で「大きな進展があった」とベッセント米財務長官が語り、現地時間12日に共同声明を発表する見通しとなったことで、投資家心理が改善した。
これ以上の米中対立の先鋭化が避けられるとの見方から、半導体関連や機械株などに買いが向かい全体相場を押し上げた。一方、トランプ米大統領が自身のSNSで米国での薬価を大きく引き下げる大統領令に署名することを明らかにしたことを受け、医薬品セクターが売り込まれるなど明暗を分けている。
東証株価指数(TOPIX)は12日続伸し、2017年10月の12日続伸の記録に並んだ。終値は8.59ポイント(0.31%)高の2742.08と、3月28日以来の高値だった。
日経平均とTOPIXはこれまでの急ピッチな上昇で短期的な過熱感が意識され、下げに転じる場面があった。トランプ氏が米国の医薬品の価格を大幅に引き下げる大統領令に署名すると表明したのを受け、収益の下押し懸念で武田やアステラス、大塚HDなどの医薬品株が軒並み下げた。企業の決算発表シーズンが続き、前週末の発表でスマートフォン向け人気ゲームの伸び悩みが意識されたディー・エヌ・エーが売られた。