前日のNYダウが100ドルあまり下落したことや、為替が前日よりもやや円高水準で推移したこと、香港をはじめアジア株市場が総じて軟調だったことなどを受け、日経平均は下値を探る展開となった。
米議会上院が19日に香港での人権尊重や民主主義を支援する「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決したのに対し、中国外務省は20日に非難する声明を公表。米中関係が悪化するとの警戒感から、投資家のリスク回避姿勢が強まった。香港ハンセン指数が下落するなどアジア株安も持ち高調整の売りを促し、日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。
中国外務省は声明で「米国が独断専行するなら有力な措置をとる」とした。「香港問題を巡り米中対立が激化すれば、貿易協議の進展に遅れが生じかねない」との懸念から、短期筋による株価指数先物の売りが優勢になった。
海運株や石油株が売られたほか、機械株や自動車株など概して景気敏感株が冴えない動きとなった。
売り一巡後は安値圏で膠着する展開だった。中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利である最優遇貸出金利を引き下げると発表した。金利引き下げが中国景気を下支えするとの見方が押し目買いを誘った。午前の相場下落を受け、日銀が上場投資信託(ETF)買い入れに動くとの観測も浮上し、下値を探る動きは限られた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比36.52ポイント安の1万5104.75だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、5.62ポイント安の1691.11で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1575億円。売買高は13億5372万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1388、値上がりは680、変わらずは86だった。