前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに軟調だったことを受け、朝方は日経平均が下値を探る展開を余儀なくされた。だが売り一巡後は押し目買いが優勢となり、後場に入り上昇に転じる場面もあった。
これまで相場を牽引してきた半導体主力株に利益確定売りが目立ち、日経平均に下落圧力を加えたが、一方で建設や銀行などの内需株が堅調な値動きを示し、全体も下値抵抗力を発揮する格好となった。
海外投資家とみられる大口の買いが観測されている。建設や銀行、証券といった割安株への買いは続いた。中小型株は強い動きを示すものが多く、値上がり銘柄数が900超となり値下がり銘柄数を上回った。TOPIXは後場の取引で終始プラス圏で推移した。全体売買代金は5兆円を上回るなど引き続き活況だった。
足元で上昇が目立っていたアドテストや信越化など半導体関連への一角に売りが強まると、日経平均は10時半ごろに270円ほど下げる場面があった。ただ、朝方の売り一巡後は割安株が上昇する形で、相場を下支えした。4日に株主還元の強化策を発表した大林組が大幅高となり、午後には一時、制限値幅の上限(ストップ高水準)まで買われた。同業他社にも株主還元策の強化の動きが広がるとの思惑から大成建や鹿島など建設株が軒並み急騰。三菱UFJなどメガバンクも上昇するなど、割安株を物色する動きが引き続き活発だった。
日経平均は午後に上昇に転じると、上げ幅を120円近くまで広げる場面があった。目立った新規の買い材料は観測されなかったが、「上昇相場に取り残される恐怖心から海外投資家や一部国内勢が買いを強めた」との見方があった。ファストリやソフトバンクグループ(SBG)、トヨタ、TDKなど主力株の一角が上げ幅を広げ、日経平均を押し上げた。