きょうはリスク選好の地合いが継続し日経平均株価は午前11時前に500円近い上昇で2万7000円台に乗せる場面があった。
前日の欧州株市場はウクライナ情勢の不透明感を背景に総じて軟調な値動きで、米国株市場でも主要株指数が大きく下値を模索する局面があった。
国際決済ネットワークのSWIFTからロシアを排除する方向となったことで、西側諸国の企業収益に影響が出るとの見方が買い手控えムードにつながった。
しかし、ナスダック指数が引けにかけてプラス圏に切り返す強さをみせたことで、東京株式市場でも空売りの買い戻しを誘発し、全体相場は上値を指向する展開に。海運株が大きく買われ全体相場の上昇を後押しした。ただ、ウクライナ情勢を見極めたいとの思惑もあり、後場は上げ幅を縮小した。
米金融政策を巡っては、米連邦準備理事会(FRB)が米国のインフレ対応だけでなく、ロシアへの金融制裁がもたらす金融市場への影響にも配慮するとの見方が強まっている。米国の長期金利の上昇には一服感が出ており、高PER(株価収益率)の銘柄に見直し買いが入った。
2月28日にはウクライナとロシアの代表団が停戦に向けた対話を開いた。両者の主張には隔たりもあるが、終了後には近く2回目を開くと伝わった。世界経済への悪影響が大きくなるとの懸念はひとまず後退したが、なお情勢は流動的とあって上値では戻り売りも出やすかった。
JPX日経インデックス400は3日続伸した。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、終値は前日比10.24ポイント高の1897.17で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆344億円。売買高は12億4716万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1170と、全体の5割超を占めた。値下がりは937、変わらずは72銘柄