米国の金融引き締めをめぐる市場の混乱や景気減速を警戒したリスク回避の売りが出て、終日軟調な展開となった。下げ幅は600円を超える場面があったが、主力銘柄には値ごろ感からの買いが入り、次第に下げ幅を縮めた。
米国ではインフレが進む中で金融政策を巡る不透明感が強まっている。日本時間21日の取引で米株価指数先物が安く推移し、日本株にも売りを促した。アジア株式市場で香港や上海の指数が下げたことも重荷となった。
外国為替市場では円高・ドル安が進み、輸出採算が悪化するとの思惑から自動車や機械など輸出関連株の一部が下げた。生産計画の下振れへの警戒もあって自動車の下げが目立った。値がさの半導体関連銘柄の下げも大きく、指数を押し下げた。
売りが一巡した後は主力銘柄には値ごろ感からの買いが入り、次第に下げ幅を縮めた。大引けにかけては週末を控えていることもあって、売り方の買い戻しが入り、下げ幅が200円未満に圧縮される場面があった。
国内では新型コロナウイルスの感染が拡大し、まん延防止等重点措置の適用地域が広がる見通しだ。想定の範囲内との受け止めもあって、これまでの下げが大きかった鉄道や小売りなど内需関連の一部には買いが入った。
市場からは「上値は買えないが、日経平均2万7000円台前半レベルでは値ごろ感から買いが入ってくる。もっとも、来週にFOMC(米連邦公開市場委員会)や主要企業の決算発表を控え、タイミング的には動きにくい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。東証株価指数(TOPIX)も反落し、11.35ポイント安の1927.18で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆9873億円。売買高は12億3500万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は920と、全体の4割程度にとどまった。値上がりは1170、変わらずは94銘柄だった。