日本の連休中に米株式相場が最高値を更新した。この流れを受けて東京株式市場でも幅広い銘柄に買いが入り、朝方に日経平均は2万8000円を上回る場面があった。
ただ、新型コロナウイルスのインド型変異株であるデルタ株の感染拡大が続いていることが引き続き警戒されている。また、きょうはアジア株市場が中国、香港株を中心に大きく下値を探る展開となり、これが日経平均の上値を重くした。
国内では新型コロナウイルスの新規感染者数の増加が続いている。東京都には緊急事態宣言が発令されているうえ、東京五輪の開催期間中とあって経済活動が抑制されているため、積極的に上値を追う雰囲気は乏しかった。中国当局がネット大手や教育産業への締め付けを強めていることも中国市場を巡る不透明な要素として意識され、日本株の上値を抑えた。
市場からは「戻りの勢いが続かない。米株先物安とともに上海株や香港株の下げが大きく、影響を受けている。決算発表を控えて全体的には動きづらく、当面は業績にらみで個別株主体の動きなろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続伸した。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、終値は前営業日比21.21ポイント高の1925.62だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆2492億円。売買高は9億6681万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1757と、全体の約8割を占めた。値下がりは352、変わらずは82だった。