6日公表された6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容が一段の金融引き締めに積極的な内容ではなく、投資家の安心感につながった。米株価指数先物が日本時間7日の取引で上昇すると、日経平均先物にも短期筋の買いが入り、指数を押し上げた。日経平均の上げ幅は400円を超える場面があった。
米連邦準備理事会(FRB)が6日に公表したFOMC要旨は、パウエル議長のこれまでの発言におおむね沿った内容だった。市場の警戒が和らぎ、同日の米株式相場が上昇した。東京株式市場でも朝方から買いが先行した。
アジア市況も軟調な出足となると午前中ごろに一時前日終値近辺まで値を戻した。しかし、木原官房副長官が国内での新型コロナ感染拡大を受けた行動制限について否定的な見解を示すと買い戻しが加速。午後はダウ平均先物やアジア市況の上昇転換を追い風に一段と買いが入り、ハイテク・グロース株買いも寄与し、2万6500円を挟んだ展開となった。
このところ下げの目立っていた半導体関連に買いが入った。米景気の悪化が懸念されるなか、医薬や通信、食品といったディフェンシブ株が物色された。前日に好決算を発表したイオンは大幅高だった。
半面、鉄道や百貨店の下げが目立った。政府が7月前半に予定していた旅行支援策「県民割」の全国拡大を延期する調整に入ったと伝わり、経済再開への期待から買われていた銘柄に売りが出た。国際商品の価格が下がる中で、石油や海運なども下落した。
市場では「株価指数が直近で底堅く推移していたことに加え、イオンの増益決算に好反応を示したことも支えとなったようだ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は前日比26.36ポイント(1.42%)高の1882.33だった。