ハイテク主力株中心に利食い圧力が顕在化した。前日の欧州株市場が総じて安かったほか、米国株市場でも経済指標の発表を受けインフレへの警戒感が再燃、米長期金利上昇を嫌気して広範囲に売りが広がった。原油市況の上昇もインフレ懸念を助長した。
東京株式市場では前日まで日経平均が8連騰と上げ足を強めていたが、きょうは欧米株が軟調だったこともあり、目先スピード警戒感からの売りを誘発した。アドテストや村田製などのハイテク株に売りが出た。
朝安後に下げ渋り、為替の円安を背景に一時プラス圏に浮上する場面もあったが、その後は売り直され、後場に入ると下げ幅を広げた。日経平均は値がさの半導体や電子部品株が下げた影響が反映されたが、TOPIXの下落率は相対的に小さかった。
米株価指数先物が日本時間7日午後の取引で下げると、日経平均も下げ幅を広げ、節目の3万3000円を下回った。
7日のアジア株安や米株価指数先物の軟調さに連れて、海外の短期筋が株価指数先物に売りを出し、日経平均は下げ幅を広げた。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=147円台後半の2022年11月以来となる安値を付けた。自動車など主力株に輸出採算の改善を期待する買いが入ったが、買い一巡後は売りに押された。
円安が下支え要因になっているが、介入警戒感もありこのまま円安が進むとは考えづらく、上値追いには慎重にならざるを得ないだろう。また、米国経済のソフトランディングに対する期待も底流にはあるが、インフレの収束には今しばらく時間がかかりそうなだけに、米国市場の波乱展開が悪影響を及ぼす懸念も残る。