注目された11月の米雇用統計が市場予測を上回る内容で、米景気減速に対する懸念が後退、米中協議についても先行き不透明ながら、中国側に歩み寄りの姿勢がみられ、両国の対立に対する警戒感もやや緩んでいる。前週末の米国株市場ではNYダウが340ドル近い上昇を示すなど戻り足を強めており、日本株にも運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが優勢だった。
ただ、米中貿易協議に対する様子見姿勢が広がりやすく、日本株の上値追いは限定的だった。
日経平均は寄り付きで年初来高値を上回る2万3544円を付けた後は上げ幅を縮小した。米国による対中追加関税の「第4弾」の全面発動期限が15日に近づき、市場では協議の行方を見極めたいとの雰囲気が根強い。
外国為替市場で円安・ドル高も進まず、戻り待ちの売りが日本株の重荷になった。7〜9月期の実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方修正されたものの、消費増税後の日本経済には慎重な見方が多いため、相場全体を持続的に押し上げる材料にはならなかった。午後の日経平均は2万3400円台で膠着した展開となった。
JPX日経インデックス400は3日続伸した。終値は前週末比74.76ポイント高の1万5376.11だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、8.71ポイント高の1722.07で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8170億円。売買高は10億8518万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1423と、全体の6割強を占めた。値下がりは624、変わらずは109銘柄だった。