前日に約30年半ぶりの高値水準まで急上昇したことで警戒感が強まった。
前日の米国株市場で主要株指数が高安まちまちであったことを受け、利益確定を急ぐ動きが顕在化した。日経平均は前日まで急ピッチの上昇をみせフシ目の3万円大台を大きく回復していたこともあって、目先達成感からいったん下値を試す展開となった。
長期金利が1.3%と約1年ぶりの高水準まで上昇し、株式益回りの魅力が相対的に下がったことも株売りを促した。半導体関連を中心にグロース(成長)株が下げた。午前中にはソフトバンクグループ(SBG)やファストリなど値がさ株が下落を主導する場面も目立った。
ただ、新型コロナウイルスのワクチン接種が世界で広がり、国内でも始まった。米景気刺激策の早期成立への期待感も働き、景気回復期待から空運などバリュー(割安)株の一角に買いが入った。前週にピークだった企業の決算発表で業績の回復が確認できたと楽観する市場参加者も多い。急上昇の流れに乗れず、買いそびれた投資家による押し目買いが入り、日経平均は一時、69円安まで下げ渋った。
JPX日経インデックス400は8日ぶりに反落。終値は前日比39.75ポイント安の1万7752.07だった。東証株価指数(TOPIX)も8日ぶりに反落し、3.59ポイント安の1961.49で終えた。TOPIXは上昇する場面もあった。
東証1部の売買代金は概算で2兆7670億円。売買高は13億7152万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は965と、全体の4割超。値上がりは1145で半分以上を占めた。変わらずは84銘柄だった。