きょうは、寄り付きからリスク回避の売りが優勢となり、日経平均は4日ぶり反落を余儀なくされた。前日は31年ぶりの高値をつけたものの、8月末からの12営業日で3000円超の上昇をみせていることもあって利益確定の動きが表面化した。下げ幅は300円を超える場面もあった。
注目された8月の米CPIの結果は市場予想を下回ったことで米長期金利は低下したが、米株市場では景気鈍化懸念が売りを助長した。東京市場では、自民党次期総裁選を前に新総裁のもとでの経済対策への期待感に加え、ワクチン普及を背景とした新型コロナウイルスの感染ピークアウトへの思惑が下値を支えた。ただ、時価総額上位の主力株が買われた一方、中小型株中心に広範囲に売られ、全体の8割の銘柄が下げる売り圧力の強い地合いに。売買代金は高水準が続いており、きょうも3兆円台をキープした
市場では「前週までは海外市場など外部要因の影響を感じさせない上昇だったが、今週は騰勢がやや衰えていた。そこへ米株市場で景気減速懸念が強まり、『世界の景気敏感株』とされる日本株にも売りが波及した」との指摘があった。
ただ、新たな首相のもとでの経済対策や、新型コロナウイルスの感染者数減少に伴う経済正常化への期待は根強い。予想PER(株価収益率)などの面からみた米国株との比較で日本株には割安感も残っており、断続的な買いが入って下値を支えた。
JPX日経インデックス400は反落し、終値は前日比179.06ポイント安の1万8985.77だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、22.48ポイント安の2096.39と、心理的な節目の2100を下回って終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆1502億円。売買高は12億572万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1783と、全体の約8割を占めた。値上がりは329、変わらずは76銘柄だった。