前日のNYダウが943ドル安と急落。フランスが全土で1カ月のロックダウン(都市封鎖)を再導入するなど欧州や米国での新型コロナウイルス感染拡大が警戒された。米国で新規感染者数が7万人を超えたことや、追加経済対策を巡る与野党の協議が膠着していることもあった。
米株価指数先物が上昇して推移していることも安心感を呼び後場にかけ下げ幅を縮小した。欧米に比べ日本は新型コロナの感染者数が少ない点も評価されているようだ。
「アジアの感染動向が欧米よりも落ち着いており、アジアの株式市場にとっては安心材料」。上海総合指数が上昇したことで投資家の不安が後退。日銀が上場投資信託(ETF)を購入するとの観測が浮上したことも下値を支えた。
日経平均を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時急上昇。取引時間中としては7月1日以来約4カ月ぶりの高水準になる場面もあった。
市場では「安心して買える銘柄を確保しておきたいという投資家が多い」との声があった。
JPX日経インデックス400は4日続落。終値は前日比10.81ポイント安の1万4500.22だった。東証株価指数(TOPIX)も4日続落し、1.62ポイント安の1610.93で終えた。いずれも取引時間は上昇に転じる場面があった。
東証1部の売買代金は概算で2兆956億円。売買高は10億1237万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1330と、全体の約6割を占めた。値上がりは747、変わらずは100銘柄だった。