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【大引け概況】
 29日の日経平均株価は4日続落し、前日比86円57銭安の2万3331円94銭で終えた。
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前日のNYダウが943ドル安と急落。フランスが全土で1カ月のロックダウン(都市封鎖)を再導入するなど欧州や米国での新型コロナウイルス感染拡大が警戒された。米国で新規感染者数が7万人を超えたことや、追加経済対策を巡る与野党の協議が膠着していることもあった。
 
米株価指数先物が上昇して推移していることも安心感を呼び後場にかけ下げ幅を縮小した。欧米に比べ日本は新型コロナの感染者数が少ない点も評価されているようだ。
「アジアの感染動向が欧米よりも落ち着いており、アジアの株式市場にとっては安心材料」。上海総合指数が上昇したことで投資家の不安が後退。日銀が上場投資信託(ETF)を購入するとの観測が浮上したことも下値を支えた。
 
日経平均を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時急上昇。取引時間中としては7月1日以来約4カ月ぶりの高水準になる場面もあった。
 
市場では「安心して買える銘柄を確保しておきたいという投資家が多い」との声があった。
 
JPX日経インデックス400は4日続落。終値は前日比10.81ポイント安の1万4500.22だった。東証株価指数(TOPIX)も4日続落し、1.62ポイント安の1610.93で終えた。いずれも取引時間は上昇に転じる場面があった。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆956億円。売買高は10億1237万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1330と、全体の約6割を占めた。値上がりは747、変わらずは100銘柄だった。
 
 
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、小売業、陸運業などが下落し、電気機器、銀行業、輸送用機器は上昇した。
 
個別では、上場企業の決算発表で2021年3月期の業績見通しの上方修正が相次いでいる。増益見通しを28日に発表したソニーは大商いとなり、7%近く上昇。コマツや大日本住友なども同様に買われた。第一三共やTDKが上げた。任天堂、日立が買い進まれ、東エレク、イビデン、三井住友、みずほFGも値上がりした。
 
一方、ファストリ、ソフトバンクグループ、信越化、リクルート、資生堂、花王が下げた。トクヤマや日清粉Gの下落も目立った。神戸物産は軟調。JR東日本、JR東海はともに大幅安。NTTドコモが小安く、KDDIは弱含んだ。
 
 
東証2部株価指数は前日比22.27ポイント安の6186.91ポイントと4日続落した。
値上がり銘柄数は165、値下がり銘柄数は240となった。
 
個別では北日本紡績、ラピーヌ、神姫バス、スターフライヤー、歌舞伎座が年初来安値を更新。JFEシステムズ、ツインバード工業、アールエイジ、ケー・エフ・シー、ダイトーケミックスが売られた。
 
一方、ピーエイがストップ高。ユタカフーズなど2銘柄は年初来高値を更新。クシム、三精テクノロジーズ、東邦金属、田岡化学工業、グリムスが買われた。