きょうは売り先行で始まり、寄り後も徐々にリスクオフの流れが強まる展開となった。
前日の米国株市場でNYダウが小幅上昇したものの上値の重い展開でナスダック総合指数はマイナス圏で引けており、外国為替市場で急速に円高が進行したこともあって買いが手控えられた。
パウエルFRB議長の議会証言をうけ金融緩和環境が長期化するとの思惑はプラス材料として意識され、きょう取引時間中に発表された中国の経済指標も好調な内容だったが、東京株式市場には追い風とならなかった。新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか、内需株中心に売りがかさんだ。
自動車や機械といった輸出関連株の下げにつながった。チャート上の節目を上抜けできなかったことも市場心理の悪化につながった。
午前に発表された中国の4〜6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比7.9%増だった。6月の工業生産や小売売上高なども発表され、堅調な消費や輸出が確認されたものの、先行きの減速への警戒は根強く、日本株市場では買い材料とならなかった。
日経平均はチャート上で2万8700円台にあった25日移動平均の節目を上に抜けられなかった。短期的な地合いの悪さが意識されて、主力銘柄には断続的な売りが出て、徐々に下げ幅を広げた。
午後には台湾積体電路製造(TSMC)が発表した4〜6月期決算では純利益が前年同期比11.2%増だった。市場予想を下回ったことが嫌気され、東京株式市場の半導体関連銘柄では東エレクやスクリンが下落に転じた。アドテストは上げ幅を縮めた。
市場では「緊急事態宣言下の東京都で、新型コロナの新規感染者数が再び1000人を超える状況となり、オリンピック・パラリンピックも控えることから、外国人投資家は日本経済への影響を見たいとして売買を控えている」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比214.71ポイント安の1万7444.32だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、23.55ポイント安の1939.61で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1142億円。売買高は9億7117万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1839と、全体の8割を占めた。値上がりは279、変わらずは74だった。