終値としては6月4日以来、約2カ月ぶりの安値となった。終値で2万1000円を下回ったのは6月18日以来。
米国の対中追加関税「第4弾」発動方針に中国政府が報復措置を取る姿勢を見せたことで、前週末の欧米主要株価指数は軒並み下落。これを引き継いで5日の東京株式市場も朝から売りが広がった。日経平均株価は、円高・ドル安に振れた為替と歩調を合わせて下げ幅を広げ、輸出関連株を中心に売りが優勢だった。
この日の上海市場では人民元が対ドルで11年ぶりの安値を付け、中国当局の元安容認姿勢がうかがわれた。「中国政府が国営企業に米国の農産物を買わないよう求めた」との報道も出るなど、追加関税をちらつかせる米国に対し、中国側は譲歩の姿勢を見せていない。
外国為替市場で円高・ドル安が進行。人民元の対ドル相場が11年ぶりの安値となったことで主要なアジア株相場が全面安となり、日本株にもリスク回避目的の売りが広がった。
午後の取引開始直後には下げ幅が一時570円超まで拡大した。米ブルームバーグ通信が「中国政府は国有企業に対し、米国産農産物の輸入を停止するように要請した」と報じた。米中貿易摩擦が激化するとの懸念が広がり、海外勢が株価指数先物に売りを出した。
一巡後は、午後に政府・日銀が緊急会合を開き、過度な為替変動をけん制する発言や日銀のETF(上場投資信託)買い期待もあって下げ渋りの流れとなったが、戻りは限定された。
米国が追加関税に踏み切れば、中国製スマートフォンなど一般消費財も値上がりが予想され、「米国経済も消費低迷など悪影響は避けられない」。市場はしばらく米中関係に神経質に反応しそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、前週末比27.58ポイント安の1505.88で終えた。JPX日経インデックス400も続落し、終値は前週末比243.20ポイント安の1万3420.37だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆5151億円と、5営業日連続で活況の目安である2兆円を上回った。売買高は14億7447万株。東証1部の値下がり銘柄数は全体の約9割に当たる1914。値上がりは196、変わらずは39だった。