朝方は、買いが先行した。米中貿易協議が進展するとの期待感から8日の米国株式が3営業日続伸したことを受けて、投資家心理が改善し広範囲に物色された。
時間外取引で米株価指数先物が堅調に推移し、中国・上海総合指数の上昇も支えとなった。上げ幅を拡大し、後場前半には一時2万494円35銭(前日比290円31銭高)まで上昇し、フシ目となる2万500円に接近する場面もあった。
米中両政府による次官級の貿易協議についてトランプ米大統領が進展を示唆したほか、交渉期間も当初の予定から延長しており協議進展への期待が高まった。トランプ大統領は日本時間午前の演説でメキシコとの「国境の壁」建設の必要性を強調したが、議会承認を得ずに建設を進めるための非常事態宣言を見送るなど一段と強硬な姿勢を示さなかったことも買い安心感につながった。
ただ、日経平均は週初からの3日間で約900円上昇したことで、上値では利益確定売りが出やすくなった。市場関係者は「午後は様子見気分が強くなった」と指摘。日経平均は大引けにかけて伸び悩んだ。
JPX日経インデックス400は3日続伸した。終値は前日比162.48ポイント高の1万3617.36だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、16.68ポイント高の1535.11で終えた。
東証1部の出来高は13億751万株、売買代金は2兆3104億円。騰落銘柄数は値上がり1202銘柄、値下がり861銘柄、変わらず65銘柄。