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【大引け概況】

19日の日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、終値は前日比168円02銭安の4万3546円29銭だった。下げ幅は一時300円を超えた。
 
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前日までの急騰で高値警戒感が強く意識されるなか、主力株にポジション調整の売りが顕在化した。前日の欧米株市場が高安まちまちで買い疲れ感も見られたことで、東京株式市場でもリスクを積極的に取りに行く展開とはならなかった。
今週末にジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控えており、この内容を見極めたいとの雰囲気が買いを手控えさせた格好だ。特に日経平均寄与度の高い値がさ株への売りが指数押し下げ効果をもたらした。
ただ中小型株を中心に個別株物色は活発で、日経平均とTOPIXいずれも安かったにもかかわらず、値上がり銘柄数が値下がり数の倍以上となっている。なお、活況な商いは維持されおり、全体売買代金は9営業日連続で5兆円を上回った。
 
米インテルに20億ドル(約3000億円)を出資すると18日に発表したソフトバンクグループ(SBG)が株式分割考慮後の上場来高値を連日で更新したが、その後は反落し一時5%安まで売られた。終値ではSBGの1銘柄で日経平均を135円下押しし、相場全体の重荷となった。このほか前日に株式分割考慮後の上場来高値を更新した任天堂など足元で堅調だったゲーム関連株の下げも目立った。
 
2025年4〜6月期の決算発表が一巡し、市場からは「例年、お盆休みの翌週は売買代金が減少する傾向にある。閑散とするなか、足元では高値警戒感も強く、投資家は動きづらかった」との声が聞かれた。週末には米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が予定される。市場が注目するイベントを前に様子見の雰囲気も漂い、相場は方向感を欠いた。
 
さて、東京株式市場は日経平均が上値4万4000円の大台を前にして少し慎重になっている様子を見せているが、旺盛な買い意欲や強い先高観に支えられ下値限定的な好需給相場を続けている。テクニカル的には5日移動平均線(4万3312円)が超短期のサポート線で、今月上旬の上放れから一貫して下値を支え続けている。一気に4万4000円へ乗せるにはここを基点にしておきたいだろう。

 

 
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反落した。終値は4.33ポイント(0.14%)安の3116.63だった。JPXプライム150指数も3日ぶりに反落し、0.74ポイント(0.05%)安の1356.80で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で5兆780億円、売買高は19億8152万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は511。値上がりは1055、横ばいは54だった。
 
個別では、売買代金トップとなったソフトバンクグループが10営業日ぶりに反落したほか、僅差で売買代金2位となったサンリオも利益確定売りを浴び10%を超える急落を余儀なくされた。フジクラ、レーザーテックなどが軟調。IHIが値を下げ、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも安い。ファーストリテイリングやリクルートが安い。任天堂、コナミグルプやバンナムホールディングが下落し、アドバンテストやフジクラが売られた。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスも冴えない。楽天銀行、フージャースホールディングスなどが大幅安、井関農機も下落した。
 
半面、ディスコ、東京エレクトロンがしっかり、トヨタ自動車もプラス圏を維持した。中外製薬が大きく上値を伸ばした。アステリアが前日に続きストップ高に買われ、アドバンスクリエイト、あすか製薬ホールディングスも急騰。冨士ダイスが値を飛ばし、関東電化工業も大幅高となった。中外薬品、第一三共、TDK、豊田通商、ニデック、大塚ホールディングス、住友不動産、クレセゾン、ニトリホールディングス、デンソー、京セラなどの銘柄が上昇した。