朝方に幅広く買い優勢でスタートしたが、その後は大きく値を下げた。
前日の欧州株市場が総じて高く、米国株市場でもNYダウやナスダック総合株価指数ともに堅調だったことで、寄り付き時点ではリスクオンだったが、買いは続かなかった。
あすの2月の米雇用統計発表が意識されたほか、日銀の金融政策正常化が前倒しされることへの警戒感が浮上し売りを誘発した。前場後半から日経平均は先物主導で次第安の展開を強いられた。円高・ドル安の進行も輸出関連株の重荷となり、一時下げ幅は500円を超える場面もあった。後場に入るといったん下げ渋る場面はあったものの、半導体セクターへの売りが足を引っ張り、日経平均も引けにかけて売り直され、結局500円近い下げでこの日の取引を終えている。なお、売買代金は活況で5兆9000億円台と6兆円近くまで膨らんだ。
日銀の中川順子審議委員は7日午前に島根県金融経済懇談会で挨拶し、国内経済について「賃金と物価の好循環が展望できる」と発言した。日銀が近い時期に金融政策の正常化に踏み切るとの見方がさらに強まり、半導体関連の東エレクやアドテストなど直近で上昇が目立っていた銘柄が大きく売られた。円高を受けてトヨタや日産自、SUBARUといった自動車株も軟調だった。一方、金利上昇の思惑から銀行や保険株の一部には買いが入った。
6日の米株高の流れを引き継いで、日経平均は朝方には史上最高値(4万0109円)を上回る場面があったが、買いは続かなかった。