4日の米国市場では、引き続き雇用統計を受けた米長期金利の上昇を背景に、買いが先行。トランプ政権による鉄鋼及びアルミニウムの輸入関税を巡る貿易戦争への懸念が一服したほか、ハイテク株が選好され、終日堅調推移となった。
4日の米市場で、ナスダック総合株価指数が約3カ月ぶりに過去最高値を更新した。東京市場では東エレクや信越化といった半導体関連を中心に買いが入った。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=110円台まで円安方向に振れ、輸出採算が改善するとの期待も相場を押し上げた面もある。
その後は、新たな材料のない中、全般としては2万2500円水準でのもみ合う展開となり、米中貿易摩擦を巡る警戒感が依然として市場に残っており、積極的な売買を手がけにくい状況となった。自動車や銀行株などには利益確定売りに押される銘柄が目立った。米中の貿易摩擦問題がくすぶり、輸出株に買いづらさがあることも相場の重荷となった。
JPX日経インデックス400は小幅ながら4日続伸した。終値は8.11ポイント高の1万5696.35。東証株価指数(TOPIX)も4日続伸し、0.27ポイント高の1774.96で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3824億円、売買高は15億4648万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は853と、全体の約4割にとどまった。値下がりは過半の1133銘柄、変わらずは98銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、ゴム製品、その他製品、情報・通信業の上昇が目立った一方、鉱業、石油・石炭製品、証券・商品先物取引業などが下落した。
個別では、ソフトバンクグループが商いを伴い高く、任天堂、ソニーもしっかり。東京エレクトロン、ファナックも堅調。アステラスやエーザイ、武田薬品工業、資生堂も上げた。ジャパンディスプレイが買われたほか、メディカル・データ・ビジョンが値を飛ばした。TACも上昇した。セラク、ファインデックスなども上値を追った。
半面、トヨタ自動車、ホンダが売りに押され、東海カーボンも軟調。マネックスグループ、SBIホールディングスも安い。取引時間中に2000億円規模の増資を発表したシャープも後場下落に転じた。日本ハウスホールディングスが急落したほか、東邦チタニウム、ディー・エル・イーも大幅安。LIFULL、兼松も売られた。
東証2部株価指数は前日比4.41ポイント高の7226.39ポイントと3日ぶり反発した。
出来高1億1979万株。値上がり銘柄数は149、値下がり銘柄数は289となった。
個別では、不二サッシがストップ高。三精テクノロジーズは一時ストップ高と値を飛ばした。日本リーテック、ソルコム、三光マーケティングフーズ、マーチャント・バンカーズ、ジャパンミートなど12銘柄は年初来高値を更新。第一稀元素化学工業、ウェルス・マネジメント、ノムラシステムコーポレーション、ビート・ホールディングス・リミテッド、オリエンタルチエン工業が買われた。
一方、省電舎ホールディングス、三井金属エンジニアリング、コーアツ工業、土屋ホールディングス、森組など36銘柄が年初来安値を更新。ファステップス、フライトホールディングス、リミックスポイント、アサヒ衛陶、中西製作所が売られた。