6月21日以来、約3週間ぶりの高値。
前日の米国株高を受けて日経平均株価は続伸して始まった。為替の円安基調も手伝って前場は堅調に推移し、後場、一段高となった。一方、日経平均に比べるとTOPIXの上昇率は小さかった。
米中通商問題を巡り新たな悪材料が出ておらず、米中摩擦への懸念がやや後退した。前日の米株高の流れを引き継ぎ、東京株式市場でも幅広い銘柄が買われた。コマツや日立建機など中国関連とされる銘柄が上昇した。
日経平均の構成銘柄を見ると、指数を大きく押し上げたのは比較的少数の銘柄で「現物が全体に買われたわけでなく、日経平均先物主導の上昇だった」という。
先物主導で日経平均だけが大きく上昇する展開については、「いびつだ」と違和感を訴える声もある。とはいえ、この日の上昇により「チャート上の複数の節目を一気に上に抜け、株価は直近高値に向かいやすくなった」とされる。
ソフトバンクのほか、12日の取引終了後に好決算を発表したファストリなど主力の値がさ株の上昇が目立った。この2銘柄の上昇だけで日経平均株価を160円強押し上げた。
これまで投資家心理を圧迫していた米中貿易問題も、「中国側の抑制的な姿勢が目立ち始めた」と指摘され、相場の雰囲気は良くなっている。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前日比20.39ポイント高の1730.07で終えた。JPX日経インデックス400も続伸。終値は前日比182.86ポイント高の1万5342.42だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆5472億円。売買高は12億7836万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1547、値下がりは473、変わらずは80銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、サービス業、繊維製品、精密機器、ガラス・土石製品が上昇率上位。下落は石油・石炭製品、電気・ガス業の2業種。
個別では、第3四半期決算が市場予想を上回る好調な内容だったファーストリテイリングが7%近い上昇で取引を終え、ソフトバンクGはが売買代金トップで3%超の大幅高で11日続伸となった。任天堂やソニーが高い。東海カ、ファナックが高く、資生堂も強い動きをみせた。
リクルートホールディングスが上昇、SUMCOも買い優勢だった。Olympicグループが値上がり率トップに買われ、Gunosyはストップ高。コスモス薬品が急騰、古野電気も値幅制限いっぱいに買われた。
一方、安川電、SMCやユニー・ファミリーマートホールディングスも売りに押された。TOKYO BASEがストップ安、セラク、デザインワン・ジャパンが急落。コンコルディア・フィナンシャルグループも大きく値を下げた
東証2部株価指数は、前日比51.44ポイント高の7351.43ポイントと3日ぶり反発した。
出来高5811万株。値上がり銘柄数は255、値下がり銘柄数は173となった。
個別では、ファステップスが一時ストップ高と値を飛ばした。アイケイ、セイヒョー、あじかん、インテリジェント ウェイブ、阪神内燃機工業など8銘柄は年初来高値を更新。パシフィックネット、東京ボード工業、高田工業所、FUJIKOH、SECカーボンが買われた。
一方、日本食品化工、旭松食品、新内外綿、関門海、自重堂など22銘柄が年初来安値を更新。リテールパートナーズ、キクカワエンタープライズ、ネットマーケティング、神島化学工業、光陽社が売られた。