最近の急ピッチな相場上昇で高値警戒感から利益確定売りが先行したが、下値では押し目買いも入り、前日終値を挟んで小動きの展開が続いた。
8月NY連銀製造業景気指数が大幅に落ち込んだことやゼロコロナ政策に伴う中国の低調な経済指標もあり、景気減速懸念から売りが先行。ただ、金利低下に伴うハイテク株の上昇が相場を支援し、主要株価指数は揃って上昇に転じて終了した。
日経平均は前日までの2営業日で1000円超上昇したうえ、心理的な節目の2万9000円が視野に入っていたこともあり、利益確定や戻り待ちの売りが先行した。テクニカル指標面などから短期的な過熱感を指摘する声もあるなか、下げ幅は一時100円を超えた。
しかし下値では押し目買いが入り、下げ渋って上昇する場面も目立った。米国でインフレがピークアウトして米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が投資家心理を支え、グロース(成長)株の一角などに買い戻しが入った。
市場からは「利益確定売りの一方で、押し目買いニーズは根強く値を保っているが、商いは萎んできている。日経平均2万9000円超えに向けた材料は乏しく、確率的にはガス抜きが始まる可能性が高い」。また、「9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで間があるうえ、国内企業の決算発表が一巡して株価の下振れリスクが低下している。3月9日に付けた年初来安値(2万4717円)から6カ月後の信用期日が近づき、売り方は買い戻しを進めている」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落し、前日比3.00ポイント(0.15%)安の1981.96で終えた。