きょうの東京株式は朝方やや売り優勢でスタートし、その後は米中関係の悪化や貿易協議の先行き不透明感が嫌気される形で一気に下げ幅を広げる場面があった。
米上下両院で可決された香港人権・民主主義法案に関し、米ブルームバーグ通信が21日朝に「トランプ大統領は同法案に署名する見通し」だと報じた。中国側はかねて法案が成立した場合は報復措置を取るとの姿勢を示しており、両国の関係悪化や貿易交渉への影響を懸念した売りが膨らんだ。
日経平均は一時400円超に下げ幅を拡大し、心理的節目の2万3000円を1日以来およそ3週間ぶりに下回った。25日移動平均などの節目を割り込んだことで目先の相場調整が意識され、ヘッジファンドなど短期筋による売りが加速。株価指数先物が主導する形で下げ幅を広げた。21日の日中値幅(高値と安値の差)は381円と8月6日(497円)以来の大きさとなった。続落期間は8月以来、約3カ月ぶりの長さとなった。
ただ、その後は中国の劉鶴副首相が第1段階の合意に対し「慎重ながらも楽観的」と述べたという報道に反応し、今度は急速に下げ渋る形となった。
仮に合意時期が遅れても破談に追い込まれる可能性は低いとの見方が依然として多く、株式を売り込みにくい雰囲気が残った。
市場では「これまで海外勢の一手買いで上昇してきただけに、相場が下落すれば押し目買いに動きたい投資家は多い」との声も聞かれた。
日銀が前日に続き上場投資信託(ETF)買い入れに動くとの観測も相場を下支えした。自民、公明両党が大型補正予算を求めることで一致した点も意識され、建設業など内需株には堅調さも目立った。
JPX日経インデックス400も3日続落した。終値は前日比15.46ポイント安の1万5089.29だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、1.73ポイント安の1689.38で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3406億円、売買高は13億4257万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1031、値上がりは1009、変わらずは114銘柄だった。