前日の米株式市場では雇用関連指標が底堅く、米景気後退懸念が薄らぐなか、NYダウが反発した。この米株高の流れを受け、東京株式市場も値を上げてスタート。円安も好感され、日経平均株価は朝方に一時800円超の上昇となった。ただ、明日からの3連休を前に利益確定売りが流入し、後場に入り一転して300円超の下落となる場面があった。しかし、下値には再び買いが入り、引けにかけプラス圏に値を戻して取引を終えた。
1日の値幅は、日中値幅(高値と安値の差)は1225円と8日連続で1000円を超えた。
8日の宮崎県日向灘を震源とする地震を受け、気象庁が南海トラフ臨時情報の「巨大地震注意」を初めて発表したことも警戒要因となったようだ。
8日のNYダウ工業株30種平均が大幅反発したほか、ハイテク株の上昇が目立った。8日発表の週間の米新規失業保険申請件数は前の週から減少したうえ市場予想も下回り、7月の米雇用統計をきっかけに広がっていた米景気後退への警戒感が和らいだ。リスク許容度の増した投資家の資金が日本株にも流入し、9日の東京株式市場でもソフトバンクグループ(SBG)などハイテク関連株の一角が買われ、日経平均を押し上げた。
ただ、買い一巡後は売りに押され、日経平均は午後に一時下落に転じた。過去最大の下げ幅を記録した5日前後に主力株を買ったヘッジファンドなどの海外短期筋が、3連休を前に利益確定売りを出したとの見方が聞かれた。
市場では「週末に大きなイベントが控えているわけではないが、ボラティリティー(相場変動率)が高い相場下では投資家の不安心理が強く、週末を挟まずに利益確定売りを出して現金化を急ぐ動きがみられた」との声が聞かれた。
日経平均の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は45と、前日から低下したものの投資家の不安心理が高まった状態とされる20を大きく上回る。
なお、8月限オプション特別清算指数(SQ値)は35661.68円(速報値)となった。